この7月22日から25日にかけて槍ヶ岳に登ってきました。
槍ヶ岳とは標高3180mの日本第五位の山で、その山頂部は鋭角で槍の穂先と呼ばれる北アルプスのランドマークです。
山の同定はなかなか難しいのですが、槍ヶ岳だけはどんなに遠くても分かります。
また、昔から歌われている「アルプス一万尺」はこの山のことを歌っており、小槍とは山頂の側にある突起部分を指します。
昔取った杵柄の体力に任せて登山を始めた私ですので、1年目は危ない鎖場やはしご場多い山は避けていましたが、2年目からは奥穂高岳のような一部危険な場所もある山もヘルメットを被ってチャレンジしておりました。
3年目では、長い鎖場が3つもある石鎚山、鎖場はしご場の多い八ヶ岳の横岳を経験して・・ついに槍ヶ岳にチャレンジいたしました。
計画はシーズン前の3月から考えてました。ルートは中房温泉から燕山荘を経ての表銀座コースも検討いたしましたが・・コースの険しさや日程的な問題があるので一番簡単な上高地からの往復の3泊4日としました。上高地は一昨年の散策と昨年の奥穂高岳登山で訪れており土地勘は十分ですし、当地から始発で出て16時ぐらいに到着できる徳澤園はベースには良い山小屋です。
徳澤園はシーズン一括で予約を開始しているので、多くの山小屋のように1か月前に苦労して予約しなくて済みます。
ここから奥の山小屋はお風呂があったとしても石鹸やシャンプーが使えないのですが、ここでは使えてサッパリできます。
相部屋でもプライベートスペースが確保されている。
トイレは水洗ウオシュレットでトイレットペーパーを流せます。
料理はこだわりの食材でとても美味しい。
生ビール(ジョッキ)がないのと、朝食が7時からなのが玉に瑕です。
2泊目は山頂として、候補は山頂に一番近い槍ヶ岳山荘、山頂から遠いが予約が6月4日に取れて料理が評判のヒュッテ大槍、稜線に無いので予約が取りやすい殺生ヒュッテの3つがあり、とりあえず6月4日にヒュッテ大槍を予約して、7月23日に槍ヶ岳山荘を予約して乗り換えました。
これで2日目の天候が悪くても3日目にも山頂アタックのチャンスがもてます。
お盆明けの週なのも混雑や新幹線のぞみの予約を避ける為に他の職員と話し合って決めました。ヤマテンではC~D評価でしたが、天気は最高の部類でした。今にして思えば前後の週は台風が来ており・・この週しか無かったです。
出発の朝・・目覚ましもかけずに寝ておりましたら、始発電車の11分前に妻が起こしに来ました。私はパニックになりながらも・・持ち物から着るものまで前夜に全て整えておりましたので、すぐに家を出ました。
妻の車に飛び乗って駅へ・・出発2分前に駅前に着く、切符は車の中で用意してあって改札を通り階段に向かうと・・まさかの転倒。我に返って階段に走って1分前に乗車。
用意が万端でしたので忘れ物は無く、ただ予定していた超軽の靴が見当たらずに普段履きのランシューを履いて、髭剃りが出来ずに無精髭ボーボーでした。
電車内でケガの治療・・OXスプレーで消毒してばんそうこう。右手3・4指の第一関節部、左ひじ、右ひざの4か所が擦り傷になっていました。右ひざと左わき腹に痛み・・打撲によるものか。
出発はドタバタしましたが、予定通りに新幹線・特急しなのに乗り換えて松本に向かう。
松本手前の塩尻で遅れた乗り換え列車を待って4分遅れ、松本で乗り換えるアルピコ交通の上高地線は乗り換え時間が5分しかなく・・ダッシュでホームに向かうも階段を下っている所で発車、40分後の次発になりました。
しかしながら、この時の上高地はPM2時から雨予報で40分の遅れで丁度雨を避けられた格好になりました。
予定より40分遅れて上高地に到着、登山靴に履き替えて約1時間45分で徳澤園に到着。明神池に向かう木道に猿の群れがいて、草を食べながら歩いておりました。
徳澤園にチェックイン、昨年と同じホタカという相部屋でした。一畳分のプライベートスペースですが、荷物も置けて着替えも出来ます。充電は共用スぺースです。
早速、缶ビールで乾杯。お風呂に入ってシャンプーとボディソープで汗を流してさらに乾杯。
遅いチェックインでしたので18時45分から夕食でしたが、信州牛のステーキにイワナの塩焼きや紫芋のポテサラなどこだわりの美味しい夕食でした。アルコールは個室の方はオーダー出来ますが、相部屋の人は売店で購入しての持ち込み可なので、私はウイスキーと水を持ち込んで水割りでした。
消灯は9時15分でそれまではWi-Fiのある食堂でYouTubeを楽しんだりしていました。
翌朝は5時前に出発予定で3時半に起床。着替えたり日焼け止めを塗ったりトイレに行ったりで4時が過ぎ、食堂で弁当を食べてから出発する。
ただし、お弁当の中華ちまきが粘って喉を通りにくくて水でなんとか流し込みました。個人的感想ですが、山小屋のお弁当は美味しくないものが多い気がします。山小屋での朝食が美味しいからの比較でしかないのかもしれませんケド・・はずれのお弁当よりは用意したパンなどの方が良いのかも知れませんネ。
4時50分に出発、徳澤園前の長七の頭と茶臼の頭の上には青空が広がり臥し待ちの月が浮かんでいて好天が期待できました。
50分で横尾山荘前に着き缶コーヒでコーヒーブレイク、そこから槍沢方向に向かう。ちなみに昨年はここから涸沢方向に向かいましたし、蝶が岳方向に向かうルートもあって3方向への分岐点です。
6時22分に槍見河原に到着、ここまで全く見えず、これ以降もしばらく見れない槍ヶ岳山頂がチラッと見える地点で山頂が見えました。
7時17分に槍沢ロッジに到着。このロッジは上高地から約15㎞で300mの登り(ほぼ平坦)でコースタイムで4時間半ですので上高地に午前中に着ける人には槍ヶ岳登頂のベースとして利用されることが多いそうです。
ここでチップ制トイレを利用させてもらう。平常時は8時半に排便習慣があるので4時では出し切れていなかったのが出せたようです。
槍沢ロッジを出ると本格的な登りが始まる。1㎞で200mを登って7時45分にババ平キャンプ場に到着、ババ平の名前通りにここからの1㎞は75mの登りでほぼ平です。
8時12分に大曲という分岐点に到着。ここから右(北東)に行くと表銀座コースの東鎌尾根に出ますが、今回は左へ進む。
1㎞で300m登って9時に天狗池との分岐点に到着、ここを左(南)に曲がると天狗池を経由して槍ヶ岳~奥穂高岳の稜線に出ます。
さらに1㎞で300mを登って10時に槍ヶ岳山頂が存分に望める地点に到着。風が強いのかガスったり晴れたりを繰り返していました。
そこから50m登ると東鎌尾根への分岐点、右(北)に曲がるとヒュッテ大槍に向かう道ですが、このまま直進。
150m登って10時50分に殺生ヒュッテへの分岐点、この時点で標高は2800mを越えています。
ここからは宿泊予定の槍ヶ岳山荘を見ながらウネウネと登っていくのですが、3000mを超えたあたりからキツさと吐き気でペースが落ちる・・高山病か熱中症か分かりませんが、とにかく水分を補給してペースダウンしながらも登りました。
コースタイムが55分のところを65分かかりましたがなんとか11時54分に槍ヶ岳山荘(3071m)に到着。
槍ヶ岳山荘でチェックインして相部屋に入る。布団がずら~っと並んで、枕元に小さなついたてがあるのみ。1階だが入り口側で窓も遠い。HPで見た通りの部屋でした。とりあえず、布団をたたんで荷物を置けるスペースを作ってザックをデポする。
小ザックにココヘリ発信機とスポドリ500ml、ヘルメット着用し、腰にウインドブレーカー、ポケットに速乾タオル、手にはゴム付軍手で山頂アタックに向かう。
予定では昼食(カレーライス)を食べてからのつもりでしたが、吐き気があったせいで食欲が無くてすぐにアタック。
一応、山荘前で山頂にかかる雲を見ながらタイミングを計っていましたが・・西から昇ってくる雲は絶えずに西の景色は期待できないことと、山頂のガスは晴れたりかかったりが分かりました。
とりあえず登って山頂で待てばガスは晴れるとの判断で登る。ちょうど他の登山者がおらずに一人で登れました。
鎖場やハシゴ場は急な所で落石の危険もあるので他の登山者が一緒だと気も使うしマイペースで登りにくいので良かったです。
岩場に鎖場、長いハシゴを3つ登って12時50分に山頂に到着。足場や持つ所は沢山あって、岩に足場用の金属が打ち込んであって難しくは無かったデス。
山頂には8人ぐらいのグループが居られて、親切にも写真を撮ってくれました。その後に通例のパンダで写真、見回すと・・北から東・・南にかけては晴れているのですが、西は全く見えません。東の常念山脈や北の真砂岳や水晶岳、南は近くの大バミ岳しか見れませんでした。
ヤマテンC判定にしては十分な景色でした。(^^)
山頂でちょっと粘りましたが先行のグループが降り始めてから十分に時間を開けて降り始める。下りは慎重に降りるもザック無しで長い手足を生かすと岩場も前向きで降りられて苦労は少なかったです。先行するグループに追いついたのでゆっくりと待ちながら降りました。
山頂アタックを終えて生ビールで乾杯しようとするも・・売り切れとのことで缶ビール購入。(><)
受付を通りかかると個室に空室ありの表示あり。HPで1~2人個室が6000円との情報もあったのでアップグレードを申し込む。
3階南館の白馬6という部屋に変更、ハシゴで登る2階部屋ですが布団2枚分のプライベートスペースで北向きの窓があって山頂が目の前に見えます。近くの非常口から小屋裏の高い場所に出られます。
6000円で大満足のアップグレードでした。
相部屋を荷物を移動してから・・やっと乾杯。小屋前で山頂を見ながら皆さんがとんがりコーンの乗った槍ヶ岳山荘オリジナルスイーツを写真を撮ってから食べられていました。
他の人のブログでスイーツと山頂を重ねて撮るバエ写真を見ていたので、隣の人に勧めました。
私はスイーツを買う予定は無かったので隣の人に撮らせてもらいました。
夕食は5時からで30分の入れ替え制とのことで、それまでは小屋前で山頂を見ながらブラブラしたり、部屋でうとうとしたりしてました。
夕食は酢豚にシュウマイ・・時間が制限されているのでアルコール無しで食べるのに専念。
19時ごろの日没は西からの雲で綺麗には見えず、しかしながら東方向は晴れているので日が落ちてから常念山脈の向こうの松本の夜景や、星空もカシオペア座や北斗七星やさそり座なども見えました。
非常口から裏に出て満点の星空に天の川も見られ、遠くの雷光もピカピカ何百回も見られました。
8時半の消灯後も窓を開けると山頂と月が見られました。
朝食は5時から、弁当に懲りたので食堂で朝食を頂く。4時半ぐらいから小屋前で曙、5時12分に食堂窓から御来光が見られました。
朝食はオムレツにウインナーに鰆の西京焼き・・美味しかったデス。3日目の予定は徳澤園まで戻るだけ。
他のピーク(大バミ岳)ハントや東鎌尾根の一部経験などや山頂再アタックなど考えましたが、現在の体力を考慮して諦めました。
山頂再アタックは朝の天気が良くて全く雲が無いので180度の景色が楽しめそうでしたが、色々と考えたうえで止めときました。
食後は一休みして、再排便して6時過ぎに下山開始。
徳澤園までのコースタイムは5時間半で12時には到着予定、東に向かって下山するので正面から日を浴びているととても暑い。山影を目指して急いで・・7時半に山影に入り、その後も樹林帯で影になってラクになる。
長くなりましたので続きは後日で