北岳単独登山珍道中編1

7月25日から28日にかけて北岳登山に行って来ました。
この時期の北岳南アルプス)は高山植物の開花時期で、平日でも登山バスの増便があります。
当地を始発で出れば、甲府発広河原行の登山バスの14時5分の増発最終便に間に合って、登山口にある広河原山荘に16時に着いて前泊出来るのです。
登山口に歩いて行ける所に前泊出来れば、翌日の登山スタートは自分の好きに出来て便利なのです。
また、広河原山荘と北岳山荘は”南ぷすリザーブ”というサイトからWeb予約が4月1日10時からシーズン一括で出来、
1か月前に電話やPCの前でドキドキしなくて済むのも助かります。
北岳は登山をする人以外は知りませんが、日本第二位の山で、南アルプスに行ったことが無いので是非にも登りたい山でした。
また、甲府までのルートとして新横浜・八王子経由の東海道ルートと名古屋・塩尻経由の中央線ルートがあって、東海道ルートならば帰路で浜松へ途中下車して浜松の親友と旧交を温めることも可能でした。
そこで初日は始発で出て登山口の広河原山荘に前泊、2日目は夜明けスグくらいにスタートして北岳山頂から北岳山荘を通過して日本第三位の間ノ岳までの稜線を往復して北岳山荘に宿泊、3日目も夜明けスグくらいに広河原山荘に向けて下山し、12時の甲府行の登山バスに乗って17時半に浜松に到着して親友と夕食&飲みで浜松のホテル泊、4日目は親友の新築した職場見学後に鰻を食して帰宅・・という計画を立てました。
計画は完璧でしたが、思わぬことが多々ありまして・・今回も珍道中となりました。
初日・・甲府に着くまでは持ち込みのコーヒーのペットボトルでコーヒーをガブガブ飲み、甲府でバス待ちの時間におざら(冷やしほうとう)と生ビール(小)をいただき、35℃の中20分以上もバス待ちをしてバスに乗り込む。
クーラーが強くなく、センスであおぎ続けるも暑い。どうやらコーヒーとビールの利尿作用によって脱水状態で熱中症の初期状態のようでした。
スポーツドリンクは山荘で水と混ぜて作る粉しか用意してなくて困ってしまいましたが、細い林道を走るバスは離合のタイミングを計るために芦安駐車場で数分待機となり、その間にスポーツドリンクを自販機で買って一気飲みして、標高が上がってすずしくなったのもあり、暑さを感じなくなりました。
広河原山荘にチェックインして、一休みしてからお風呂に入りました。山荘ですがバスの終点でもあり、川の水も豊富なので4~5人入れるお風呂があるのです。4人でお風呂につかっていると話しかける人がいて、今日下山してきたのですが、「昨日は間ノ岳辺りの稜線がガスガスで風が強かったが、急に雷雨になって多くの人が往生した。避難小屋に近い人は良かったが、隠れる所のない稜線では怖い思いをした。一人亡くなった。」と話してくれました。
確かにヤマテン(登山者用山の天気予報アプリ)でも発雷確率は午後からは”高い”し、降水量は0だが景色はC判定でガスが予測されています。命を落とすような危険な山には立ち入るつもりはなく、北岳はそれほど危険な山ではないのですが、天候の急変と雷が命に係わる例を目の当たりにしてビビッてしまいました。
広河原山荘の大部屋はパーテションが全く無かったのですが、幸いにも窓際のスペースが割り当てられて、外の景色が見られ、窓の棚に小物が置けて、両方から他人に挟まれることが無くて良かったです。
南アルプスの山荘の寝具は綺麗ではないのか「衛生面が気になる方はインナーシーツをご持参ください。」とのアテンションがありましたが、寝具には糊のきいた綺麗なシーツがかかっていて良かったです。
風呂から上がって荷物を整理。普段履きの靴、下山後の着替えなどをバッグに詰め、ザックの荷物は天候の急変に対応できるようにカッパやザックカバーを取り出しやすいように収納。
18時からの夕食を食べて、翌朝用のお弁当を受け取る。食後もテーブルで向かい合わせた方とお話ししながらお酒を飲む。
21時に消灯ですが20時には皆さん横になっていました。窓から外を見ると側の山は明るく、星や飛行機の明かりも見えて・・明日の天気は良さそうに感じました。
2日目のスタートは4時半を予定して3時半よりトイレ・身支度・朝食を済ませる。4時40分にスタート、青空も広がり北岳山頂もガスなく見えて気分を良くするも熊スズの付け忘れ、ザックをおろして探しだして装着し5分ロス。
すぐに長いつり橋があり、その向こうの登山道と自然公園の分岐が分かりにくかった。
1529mの広河原登山口から3193mの北岳山頂に登るのですから、単純計算で1664m以上は登ることになります。
広河原から先ずは白根御池小屋までコースタイム2時間35分で2.5㎞を700m登る・・途中に第一ベンチ・第二ベンチが40分間隔であり、休憩に使う。第二ベンチに着いた6時には東側にある鳳凰三山から日が昇るも登山道は樹林帯で日差しは当たらない。
7時に白根御池小屋に到着、写真撮影と水を補給してスポドリ粉でスポドリ作り、チップ制トイレ小して7時10分に再スタート。
ここからは草すべりと呼ばれるジグザグ急登で高山植物は多いが樹林帯でないので日差しが多い、稜線までコースタイムが2時間で1.3㎞を600m登る。
お花を堪能しながらも登り続けると稜線の手前で森林限界に達して周りが開け、そのまま稜線に達したのが9時10分でした。
稜線に出て緩い登りを10分歩くと鎖場が・・ここではストックを収納してゴム軍手で登る。
鎖場を登りきると間もなく9時40分に北岳の肩の小屋(3015m)に到着。